パーキンソン病の方が発病初期から日常生活で困ること

リハビリテーション課 理学療法士 西川久美
2025.3.17

はじめに

パーキンソン病の代表的な症状として、手のふるえ(安静時振戦)や体が動きにくくなる(無動・筋固縮)、転倒しやすくなる(姿勢反射障がい)などがあります。その中で、比較的初期の段階から、パーキンソン病を患った方が生活を送る上で、主に困っていることは何でしょうか?

発病して初期の時期から困ること

パーキンソン病と診断されたものの、日常生活は自分で問題なく過ごせている方を対象に、生活を送る中で、今一番困っていることを聞き取ったデータがあります(図1)。データによると、介助を必要としない方が一番困っていることは、回答数が多い順に①手足のふるえ②前傾姿勢③疲れやすい④便秘となっています。今回は、日常生活で困っていることで二番目に回答数が多かった、前傾姿勢について改善するポイントをお伝えします。

図1

なぜ、前傾姿勢になるか?

パーキンソン病の方は、体が動きにくくなるため、日常生活の中で動こうとするときには、小さくゆっくりした動きになります。体を大きく動かしたり伸ばしたりする動きを行わず、小さくゆっくりな動きを続けることで、筋肉が固く弱くなっていきます。「筋肉が固く、弱くなることで、疲れやすく、さらに動きにくくなり、動くのが億劫になり動かなくなる」といった悪循環に陥ります。その悪循環が起こると、姿勢が崩れ、前傾姿勢になりやすくなります。

前傾姿勢を改善するポイント

  1. 固くなった筋肉を柔らかくする
    前傾姿勢になることで固くなりやすい筋肉を、ストレッチなどで伸ばし、柔らかくすることで、体を動かす時の動く範囲が大きくなめらかなります。
    例)まっすぐ寝て伸びをする、アキレス腱伸ばしなど
  2. 弱くなった筋肉を強くする
    普段の生活であまり動かなくなると、筋肉が衰え筋力が弱っていきます。そのため、弱った筋肉を正しく動かすことで、筋力がつき、姿勢をまっすぐ保つことができるようになります。
    例)ブリッジ運動、両手を上げるバンザイ運動など

おわりに

私が、現場でリハビリを行うパーキンソン病の方も、前傾姿勢について悩まれていることが多いです。そのため、前述したポイントを念頭にリハビリを行うと、リハビリ前は姿勢が前や横に傾き、とても動きにくそうだった方が、リハビリを終えられると体がまっすぐになり「楽になった」と言われます。自分で運動を継続することは大変なことですが、症状が軽いうちに運動を継続しておくことで、日常生活が少しでも楽に過ごせるのでないかと考えます。