
リハビリテーション課 理学療法士 西川久美
2025.1.22
PDダンスとは
2024年11月16日(土)、福山にある「東広島芸術文化ホールくらら」で、PDダンスの体験をしてきました。一般社団法人パラカダンスが主催するPDダンスとは、パーキンソン病におけるダンス活動で「パーフェクトダンス(Perfect Dance:PD)」と「パーキンソン病(Parkinson‘s Disease:PD)」という、二つのPDを融合させた独自の名称です。
PDダンスは、パーキンソン病の方を「PDダンサー」と呼び、インストラクターの指導の下で、椅子に座り、曲を聴きながら緩急ある動きのダンスを行っていきます。ダンス中は笑顔や笑い声があふれ、とても楽しい環境でした。そもそもダンスには、パーキンソン病にとって、どのような良い効果があるのでしょうか?
PDダンスがパーキンソン病に及ぼす効果
- 身体的効果
ダンスには、「筋力増強」「有酸素運動」「バランス運動」「音楽による感覚刺激」「複数タスク課題」など、身体機能・認知機能向上のために重要な要素が含まれています。そのため、ダンスを多く取り入れたプログラムで、バランスや歩く速さの改善、日常生活動作の改善がみられています。 - 心理的効果
ダンスプログラムに参加することで、やる気の向上やうつ症状の軽減があります。「仲間と集団で行う」ことが、励みやモチベーションの向上につながったり、ダンスを完成させることで「成功体験」を経験することができ、自信の回復など精神機能を向上させます。 - 生活の質(QOL)への効果
身体的、心理的な機能が向上することで、日常生活の充実を感じ、QOLの向上が改善していきます。

おわりに
パーキンソン病は、ON/OFFや無動により体が思うように動かなかったり、ステージが進むことで、徐々に自分で生活を送ることが難しくなっていきます。しかし、一日でも長く充実した生活を過ごすために体を動かす必要があります。ただ単一の運動で体を動かすのではなく、同じ病気を共有する人と一緒にダンスをして、楽しみながら体を動かすのも、運動を継続する良い方法の一つかもしれません。今回、私が体験したPDダンスの時に参加していたPDダンサーの方々も、初めは恥ずかしそうにしていたものの、インストラクターの先生にあわせ、徐々にダンスの動きが大きくなったり、大きな声で話ができるようになっていました。また、ダンスの内容も、パーキンソン病の方に、もってこいの内容となっていました。私も、日々の仕事の中で参考にしたい動きもありました。一口ではわかりやすく説明するのは難しいので、ご興味があるかたは、ぜひ一度PDダンスを検索してみることをお勧めします。
