パーキンソン病のお話 その8

副院長 菊本修
2024.5.28

パーキンソン病について、お話を続けます。

               図1

図1に示しますように、パーキンソン病は、1817年に、世界で初めて報告されました。報告したのは、ロンドンの医師であった、ジェームズ・パーキンソン先生です。

パーキンソン先生は、「振戦麻痺に関するエッセー」という著書の中で、6人のパーキンソン病の病人さんに関して、その症状などを、詳しく書いています。パーキンソン先生は、「麻痺」という言葉を使用しています。「麻痺」は、「力が入らないこと」で、他の用語では、「筋力低下」や「脱力」と表現されます。パーキンソン病は、力が入らなくなる病気ではありませんから、現在は、「麻痺」という用語は使用されません。

               図2

図1にある「4大症状」に関しては、図2をみてください。以前も、お見せした図です。「無動」「振戦」「(筋)強剛」の3つを「3大症状」といい、これに「姿勢反射障害」を加えたものを、「4大症状」といいます。パーキンソン先生は、パーキンソン病の病人さんに特有の前傾姿勢、小刻み歩行、小書症(書いているうちに、だんだんと字が小さくなる症状)など、今日観察されるほとんどの運動症状を記載しています。

19世紀後半、フランスに、シャルコー先生という神経学者がいました。極めて偉大な先生で、現在でも、世界中の神経系を専門とする医師の崇拝を集めています。このシャルコー先生が、1888年に、「パーキンソン病」とよぶことを提唱しました。これは、あの偉大なシャルコー先生が、病人さんの症状を詳しく記載した、パーキンソン先生を、心から尊敬していたことを表しています。