パーキンソン病について、お話を続けます。
前回、線条体(せんじょうたい)のところで、「黒質(こくしつ)の神経細胞」から「線条体の神経細胞」に向かって、情報が伝達されており、ここで、使用される神経伝達物質が「ドパミン」と、お話しました(図1)。
線条体は、「運動をスムーズにする」ことが仕事です。パーキンソン病は、「力が入らなくなる病気ではありません」。「スムーズな運動ができなくなる病気」です。線条体は、「力を入れるべき筋肉のスイッチをオンにする」「力を入れてはならない筋肉のスイッチはオフにする」ことにより、運動をスムーズにしています。「運動がスムーズにできなくなる」と、以前、お話した、「無動」「振戦」「(筋)強剛」という、「パーキンソン病の運動症状」が出現します(図2)。
このようにお話すると、「パーキンソン病は線条体がおかしくなる病気?」と思われそうですが、そうではありません。実は、「線条体に異常はない」のです。
続きは、次回。