パーキンソン病のお話 その13

副院長 菊本修
2024.10.23

パーキンソン病について、お話を続けます。 前回、「神経伝達物質(しんけいでんたつぶっしつ)」について、お話しました。「1つの神経細胞(ニューロンともいいます)は、1つの神経伝達物質しか使用することがでいない」というルールがあります。

図の左半分をご覧ください。下の方に「黒質(こくしつ)」と書いてあります。黒質は「脳幹(のうかん)」とよばれる脳の一部です。脳の深い所にあります。この図は、脳を表面から見た図ではありません。脳を縦切り(矢状断(しじょうだん)といいます)にしなければ、見ることができない図です。この黒質に、神経細胞の本体(神経細胞の細胞体といいます。電気に例えると、発電所にあたります)があります。ここから、軸索(「じくさく」と読みます。電気に例えると、電線にあたります)が出ます。この軸索が、図の左上に書いてある、線条体(せんじょうたい)まで伸びています。線条体のところで、「黒質の神経細胞」から「線条体の神経細胞」に向かって、情報が伝達されます。ここで、使用される神経伝達物質が「ドパミン」です。