カウンセリングでは、カウンセラーと患者さんが患者さんにとって重要である、経験、人間関係、出来事、気分、知覚などについて話し合います。これにより患者さんの抱える問題が整理され、症状が軽減されるということもあります。また、うつ病は患者さんのご家族にも影響を及ぼすため、ご家族と患者さんがいっしょにカウンセリングに参加して、ストレス対処法などを学びます。
一方、抗うつ薬には、うつ病に関連する脳内神経伝達物質のバランスの乱れを調整する働きがあります。薬による治療の最終目的は、症状をコントロールし、疾患を治療することです。つまり、うつ状態を改善し、患者さんを通常の生活リズムに戻すことです。
軽症のうつ病の場合、カウンセリングのみの治療を希望する患者さんもいます。しかし、これは患者さんが判断できるものではなく、精神科医または心療内科医が患者さん個々の状況に合わせて治療計画を判断します。通常はくすりで脳内神経伝達物質のバランスを整えてからカウンセリングをする方が、より効果的であるとされています。