摂食嚥下(えんげ)サポートチームの活動が始まりました

リハビリテーション課 理学療法士 西川久美
2024.9.6

摂食嚥下サポートチームとは

食事が思うように取れない方(うまく噛めない、飲み込むときにむせるなど)に、栄養状態、食事の状態を各専門職が確認して、チームでその方に関わることで、食べる機能の回復や肺炎を防止し、「食べる楽しみ」を維持して、日常生活における活動性の向上を目指します。チームは医師、看護師、管理栄養士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、介護福祉士など多職種で構成されています。

摂食嚥下サポートチームを発足した経緯

当院には、パーキンソン病などの神経難病の方が多く入居されています。パーキンソン病などの神経難病は、食事が思うように取れず、食欲が落ち、栄養状態が低下するケースが多々あります。食べられない状態は、その方の生活の質を低下させ、生きる気力を奪っていきます。そこで、専門職がチームでご利用者にさまざまな方面から対応することで、少しでも長く、ご利用者が自分の好きな物を口から食べられるようにしていきたいと思い、摂食嚥下サポートチームの活動を始めました。

摂食嚥下サポートチームの主な活動

  1. ご利用者の状態を把握する
    ⇒栄養状態や食事状態(飲み込みや食事動作、姿勢)の確認をして、詳細にご利用者の状態を把握して、取り組みに反映します。
  2. 食事形態、水分のとろみの検討
    ⇒食事の形状や水分の性質と状態によって、食べやすさが変わります。チームで話し合い、ご利用者ごとに食事の形態や水分のとろみの強さを変更することで、安全に食事ができるように取り組んでいます。また、院内などに啓発ポスターを掲示して、ご利用者にも普段から健康を意識していただけるように情報を発信しています。
  3. 食事場面の巡回(ミールラウンド)
    ⇒ご利用者が食事をしているところを実際見に行き、考案した内容や姿勢が適切か、問題なく食事ができているかを確認しています。ここで問題があった場合は、再度チームで話し合い、改善していきます。

摂食嚥下サポートチームの今後

当院の摂食嚥下サポートチームは、今年度より活動を開始したため、まだまだ発展段階にあります。これからも精力的に活動を継続し、当院に入居しているご利用者が安全においしく、ご自分が食べたいと思った物が食べられる環境を作っていきたいと考えています。摂食嚥下サポートチームの取り組みの続報をお楽しみに!