パーキンソン病のお話 その9

副院長 菊本修
2024.6.25

パーキンソン病について、お話を続けます。

                         図1

パーキンソン病でよくみられる症状を図1に示します。この図は、広島市立北部医療センターの安佐市民病院脳神経内科主任部長の山下拓史先生にいただいた図です。以前、振戦、無動、固縮などの症状について、お話しました。これは、図1では、「動きに関わる運動症状」で、具体的には、動作が遅い、動きが少ない、表情が乏しい、キレはない、歩きにくい、ころびやすい、片手が震える、腰が曲がる、などの症状として現れます。一方、パーキンソン病では、「運動以外の非運動症状」とよばれる症状もみられます。これには、頑固な便秘、嗅覚が低下、寝ぼけて叫ぶ、几帳面で神経質、抑うつ気分、意欲が低下、不安が強い、日中に眠い、などの症状があります。

                          図2

図2に、パーキンソン病の多彩な症状と経過を示します。この図も、山下拓史先生にいただいた図です。運動症状が出現する前から、非運動症状が出現していることが分かります。最近、この非運動症状が注目されています。詳しくは、今後、お話する予定です。