副院長 菊本修
2024.4.23
パーキンソン病について、お話を続けます。
前回までに、パーキンソン病でみられる具体的な症状について、お話しました。 今回は、発症年齢や発症頻度などについて、お話します。
図1をご覧ください。「パーキンソン病の発症年齢と発症頻度(有病率と表現します)」に関して、世界中で行われた調査をまとめた図です。全年齢では、「人口10万人あたり、315人」、発症しています。広島市の人口を100万人とすると、「広島市全体で3150人」の方が、パーキンソン病を患っている計算になります。発症頻度は、40歳代で41人、50歳代で107人60歳代で428人、70歳代で1087人、80歳以上で1903人(いずれも人口10万人あたり)です。年齢とともに発症頻度が増加していることが分かります。おおざっぱにいって、パーキンソン病は高齢者に多い病気といえます。これは、「神経系の老化」と関連していると考えられます。老化との関連については、後ほど、お話する予定です。
図2は、パーキンソン病の地域別、性別の発症頻度を表しています。「アジア」や「日本(米子))に比べて、「欧州、北米、豪州」や「南米」の方が、発症頻度が高いようです。また、性別では、男性の方が、やや発症頻度が高いようです。「地域により発症頻度に差があること」「性別によって発症頻度に差があること」の理由は、現在のところ、分かっていません。